よくいただくご質問
自費出版するとき、知っておきたい知識をQ&Aでご案内します。
制作費について
- 自費出版の費用は、すごく差があるようですが、どうしてこんなに差があるんですか?
- 費用を決める要素がたくさんあるからです。大きな要素をいいますと、
①原稿の有無
②写真や図版、イラストの有無
③書籍の仕様(A:判型 B:装丁 C:紙の種類 D:ページ数)
④カラーかモノクロか
⑤校正
⑥印刷部数
⑦販売の有無
⑧広告の有無
です。
それぞれについては下記でご説明します。
原稿がなくても本ができる?
- ①「原稿の有無」とあるけど、原稿がなくても出版できるの?
- はい、できます。資料やインタビューをもとにして、ライターが著者に代わって原稿を書くという方法です。
ビジネス書の資料は、雑誌などに発表した原稿、セミナーの録音、ブログ記事など。自叙伝の場合は手紙やメモなどですが、資料だけで本はできません。
章だてが決まった後、1回2時間のインタビューを6~8回行って、ライターが原稿を書きます。 - ②「写真やイラスト」はあってもなくてもいいんだよね?
- もちろんです。必要ならプロのカメラマンやイラストレーターに依頼することもできるということです。
判型(はんけい、判型)・装丁(そうてい)って何?
- ③「書籍の仕様」にある、「判型」について教えてほしい。
- 判型は、B4やA5といった印刷物のサイズのこと。代表的な判型は次の通りです。
20130613-hankei.jpg
- 「装丁」という言葉はよく聞くけど、この際、ちゃんと知っておきたいんだ。
- 表紙、扉、カバーといった本の外側の仕様やデザインのことで、「ブックデザイン」とも言います。
表紙には、柔らかい表紙(並製・ソフトカバー)と固い表紙(上製・ハードカバー)があるのはご存知と思います。日本の書籍は、この表紙の上にカバーを付けるのが一般的です。ブックデザインで書籍のイメージが変わりますから、装丁家や編集デザイナーの腕のみせどころなんです。 - ④「本文デザイン」というのは?
- 原稿を書籍の本文の形にすることです。編集デザイナーが書籍編集用ソフトを使って、決められた判型にデータを配置します。
詳しくいうと、ふさわしい書体や文字の大きさを決め、写真やイラスト、図表などを配置するんです。手書き原稿や紙焼き写真の場合は、デジタルデータに変換してから編集ソフトを使います。
校正は誰がするの?
- 「校正」は字の間違いを直すことですよね? 著者だけでなくほかの人もしてくれるんですか?
- はい、弊社では、(A)編集者だけの校正、(B)編集者と専門家(校正者)による校正、2つのパターンを用意しています。どちらの場合も、文字の間違いだけでなく、主語と述語が呼応していないといったこともチェックします。
- 専門書や論文のような本なら、内容についてのチェックも必要でしょ。
- 内容に踏み込んで間違いを正すことを「校閲(こうえつ)」といいますが、依頼があれば、プロの校正者が校閲もいたします。
印刷部数で印刷単価が変わる?
- 「印刷部数」で出版費用が変わるのはわかるんだけど、どれぐらいどう変わるか、法則のようなものはある?
- 印刷費はたくさん刷れば刷るほど、1冊あたりの単価がぐんと安くなります。紙の種類によっても変わってきますが、オフセット印刷(もっとも一般的で品質のよい印刷方法)での、印刷部数(冊数)と1冊あたりの印刷費の関係をざっくり言えば、こんな感じになります。
<印刷α社 : 四六判、並製、表紙カバー2色、本文1色、本文192ページ>20130612-instsubusu.jpg
- すごく違うんですね。100部なら1冊あたり2000円以上かかるのに、1000部なら500円もしない。
- そうなんです。といっても、たくさん印刷すればいいというものでもありません。部数を絞って出版したいときは、オンデマンド印刷があります。
- オンデマンド印刷って?
- 1冊から制作できる印刷で、高度なコピー機印刷のようなものです。
以前は、オフセット印刷に比べて仕上がりに差がありましたが、最新のオンデマンド印刷機ではその差が小さくなりました。
書籍の仕様にもよりますが、200部ぐらいまでならオンデマンド印刷のほうが安価です。部数やページ数、判型が決まれば、どちらがリーズナブルか、ご提案します。
本を売りたいときは?
- 本を売りたいときは、どうすればいい?
- まず、次の3パターンのうち、どれかをお決めください。
A:全国の書店とネット書店で売る
B:アマゾンだけで売る
C:セミナーなどで直販だけする - この3つのパターンで部数が変わるんだね。
- はい、部数が変わるだけでなく、AとBの場合は、ISBN(アイエスビーエヌ、日本図書コード)が必要です。Aは大手出版社で、B・Cは弊社のものを付けます。
- ISBNって?
- 世界中で「この本」と書籍を特定し、流通させるための番号のことです。書店やネットで売っている書籍の裏表紙にバーコードがついていて、下に13桁の数字が印刷されていますよね。あの番号のことです。(ISBN画像を入れる)
- ISBNを付ければOK?
- Amazonで販売するだけなら、それでOKです。書店で販売する場合は、スリップと呼ばれる「売上カード」を印刷します。本に挟んで出荷して本屋さんのレジで抜く、二つ折りの栞のような紙のことです。(スリップ画像入れる)
- ほかには?
- 必ず要るものではありませんが、書店で目立つように、カバーの上にさらに「帯」を付けることも多いですね。(帯 画像)
編集者の仕事って?
- 編集者ってどんな役割の人で、どんな仕事をするの?
- 現場の責任者、「ディレクター」のことです。旅行では「ツアーコンダクター」、オーケストラでは「指揮者」のような役割をします。
具体的には
・章だてや書籍の仕様などを著者と相談し提案
・ライター、イラストレーター、編集デザイナー、印刷所などとの打ち合わせや指示
・取材・撮影の立ち会い
・原稿チェック
などがおもな仕事です。
弊社の場合、イラストや写真は何人かの候補の作品をご覧いただいて、著者に決めていただくコンペ方式ですから、候補を選んでご提案といった役割も編集者がします。