7月28日刊行 自然科学としての道徳哲学をめざして

武重靉仙 (著), 青山珪香 (編集)

昭和19年、フィリピン沖で戦禍に散った34歳の若き哲学者の遺稿が愛娘の手で80年の時を経てよみがえった。
若き哲学者は、性慾が社会性の根源であると喝破し、性に対する羞恥の感情とともに、憐憫、崇敬の感情を道徳の基礎と考察し、当時の偽善的な道徳に対し、自然科学としての道徳哲学を展開する。

出版社からのコメント

84歳の書家・青山珪香さんに託された亡父・武重靉仙氏の哲学遺稿をめぐる話はファミリー・ヒストリーでした。靉仙氏は、戦前の反軍ジャーナリスト・桐生悠々に師事し、媒酌人を務めてもらい、長女・珪香の本名・悠紀子は悠の一字を借りています。戦争に向かう国情を悲憤慷慨しながら認めた道徳哲学の論考は、氏が応召され死に至ったため、妻の許に残り、その妻も亡くなり、娘の珪香さんに託されていた遺稿が、ようやく陽の目をみることになりました。戦前の日本にこのような論考を重ねていた在野の哲学徒がいたことは、一つの驚きであり、また希望でもあり、氏の早過ぎる死は、戦争の無念さを何よりも証しています。

著者について

武重靉仙(本名・大祐)は、明治43年(1910)長野県に生まれ、「信濃毎日」主筆・桐生悠々を師と仰ぎ、在学時から健筆をふるっていた。戦前の産業組合運動に職を得つつ、日本に未確立の道徳哲学・倫理学の構築を目指していたが、応召され、3人の子供を遺して、1944年フィリピンで戦死。享年34歳。

 

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